さて、昼食を食べに出かけたリッツカーツトン・ラグナニゲルからロサンゼルスのリッツカーツトンホテルに戻り隣接する学会会場に顔を出すと、デニスターナー先生を見つけた。彼とは何度も個人的に話しているが、何時も私の英語の能力が無い為に、なかなか会話が成り立たない。という訳で挨拶するのは止めにした。この日はバイオホライズンインプラント社が夕食を奢ってくれるというので、意地汚い私たちはホテル近くのステーキ屋に出向いた。
この店はアメリカを代表するステーキチェーンの一つで、モートンズに比べると店内の内装の雰囲気などクラシックな雰囲気を楽しめる。料理は日本人が食べても素直に美味しいと感じることが出来る店で、なかなか良いステーキチェーン店だ。予想外だったのは、私達夫婦の席がDr.バック・リーの隣に用意されていたことだ。彼は医科とのダブルライセンスを持つ、口腔外科の専門医であり南カリフォルニア大学の臨床教授だが、私は以前、堀内先生からバック・リー先生が前歯部のGBRをするときに、垂直に一本、水平に一本の切開線を入れ、フラップはトライアングルに開いて、移植材はピューロス、メンブレンはコピオスペリカルディウムを使用していると聞いていたので、私もそれをそのまま実行している、と話すと大変喜んでくれた。そこに、これまた業界の大御所、ホム・レイ・ワン教授 (アメリカ ミシガン大学歯周病学教授)が加わってきて、英語が苦手な私は非常に緊張し冷や汗を流すこととなった。
普段の私なら、緊張のあまり失神するところだが、酒が入っている私は怖いもの無しで、下手な英語で下世話なジョークを連発して顰蹙を買ってしまった。しかし、白面状態では緊張で料理を美味しく味わうことはできなかったと思うが、十分に酔っ払っていたので、どの料理も非常に美味しくいただけた。アメリカらしいレストランでアメリカらしい美味しい料理をという御仁には、非常にお勧めのレストランだと思う。
















バイオホラズンズインプラントのシンポジウムは5時で終わり、それからは会場前の廊下で、酒が振舞われる。只酒なんで、ここでいくら飲んでも構わないない訳だが、会場で知り合った先生達とビバリーヒルズの寿司屋まで行くことにした。海外の学会に行って一番得るものがあるとすると、それは現地で知り合った先生達だ。昨年のドバイでのシンポジウムでは熊坂先生との出会いがあり、八戸の先生のオフィスまで遊びに行ってしまった程だ。今回の日本からのメンバーでは殿塚先生以外の先生は寿司屋で初対面の先生達ばかりだ。
この寿司屋は以前にも来たことがある。ビバリーヒルズにある人気の寿司店で味も値段も一流だ。今回はバイオホライズンインプラントの日本のディーラーであるカイマンデンタルに奢ってもらったので、正確な値段は分からないが、前回来た時には2~3万円払ったような記憶がある。以前来た時は少人数だったので、カウンターに座って一貫づつ握って貰ったが、今回はそうもいかず大皿で寿司が出てきた。
この辺りは魚が美味し場所で、ウニなどは近くのサンタバーバラなどでよく獲れる。今回は会話がメインなんで寿司のシャリは極端に小さいが、カウンターに座ると、まあ寿司自体は日本の寿司と変わらない。握ってくれる大将も日本人で、ここは正当な寿司屋でカリフォルニアロールなどは存在しない、まともな?寿司屋なのだ。
しかし、知らない先生たちと酒を酌み交わし、喋っていると面白い。酒が入ると皆テンションが上がり悪ノリの世界に入る。海外で美味しい日本の味と焼酎、学会での緊張が一気に解き放たれる幸せの時間だった。ダウンタウンからは遠いが、ロサンゼルスで日本の寿司を食べたい方には非常にお勧めの店だ!
















さて、本日はバイオホライズンズインプラントのシンポジウム初日だ。時差ぼけ解消に4日も使ったが、おかげで昨晩は12時に眠り、朝は6時に起床することが出来た。シンポジウムの最初の仕事はレジストレーション、すなわち登録だ。登録は前日にしてあるので会場で姓名を確認し首からぶら下げるパスをもらう。ブースで私がお目当のピコスのDVDを購入し部屋に一度戻る。
10年以上前は、私は朝から晩まで学会会場に居て、すべてのレクチャーを聞いていたが、最近は「これだ」と思うものしか聞かない。多くの著名人の話は既に何を話すか知っているからだ。また、現在はdentalXPなどのオンライン講座で世界中の著名な先生の講演をリアルタイムで受講できる。今回のシンポジウムには、デニスターナーやサローマ、ミッシュなどの著名人が目白押しだが、残念なことに、ここ2年間彼らの話は変わっていない。
また、エビデンスという言葉があるが、これが実にいい加減でデニスターナーは2005年アメリカ歯周病学会の基調講演でインプラントのフューチャーデザインと称してエンドポアインプラントのボディーとノーベルパーフェクトのプラットフォームのインプラントのイラストを示したが、現在ではエンドポアインプラントもノーベルパーフェクトも消滅している。また。チームアトランタは2005年までホームページのトップに上顎前歯部切歯の抜歯窩にそのままフリアット2インプラントを置いていた訳で、世界のトップと言ってもそんなもんだ。
ちなみに、3年間の期間で97.5%の成功率を達成したインプラントはジャーナルオブインプラントロジーの2000年と2003年に上顎、下顎、ともにエンドポアインプラントだけだ。エビデンスが全てなら現在のトップインプラントはエンドポアインプラントの筈だが、このインプラントはサイブロンインプラントに吸収された後、消滅してしまった。また、インプラント界の大御所のデニスターナーだが彼は2年前まで上顎前歯部のインプラントは抜歯即時埋入で骨移植も何もしないのがベストだと言っていたが、この理論どおりの手術をすると10年後にはインプラントプラットフォームが露出することが1年ほど前から、既に沢山報告がなされているのが現状だ。
今回のシンポジウムはバイオホライズンインプラントという単独のインプラントメーカーのシンポジウムで、私は昨年はドバイでこのシンポジウムに参加している。バイオホライズンインプラントは2008年にシアトルのアメリカ歯周病学会の初日の会社主催の講演でネービンスとピコスが講演して世に出された新しいインプラントだ。まあ、新しいのはレーザーロックという新技術だけで、このインプラントの基礎はアメリカのマエストロインプラント社が買収したドイツのバイオロック社のノウハウの上に成り立っている古い?インプラントだ。
会場に戻り、日本では立ち読みできない洋書を沢山買い込み、一度部屋に帰った後、ピコスの講演を聴いた。素晴らしい内容だった!彼の話は現在私がやっている仕事を裏付ける内容で、私はホッと安堵すると同時に、なんか非常に達成感が満たされる想いで講演を聴き終えた。今月はサンフランシスコでアメリカインプラント学会が開催されたので日本の多くの先生はサンフランシスコに出かけ、今回この会場で見かける人はすくなかったが、反面、この会場でピコスの話を聴くことができた先生は非常にラッキーだったと思う。












深夜まで営業している安くて美味しいタイ料理店
さて、昨日はデスバレー国立公園まで往復1000Km以上の旅を車でこなした。ホテルに戻りシャワーを浴びていたところ、石鹸置きに置いたメガネが万有引力の法則に従い、地面に落ちた。私は非常に目が悪く、尚、明るさが欲しいということで、一枚10万円以上する特殊な遠近両用ガラスレンズのメガネが両眼とも割れた。私は普段、常に予備のメガネを持ち歩いているが、どういう訳か、今回の旅行では予備のメガネを自宅におき忘れてしまった。
さて、私はメガネが無いと何も見えない。私の隣にいる女性が奥さんかどうかもわからない。これでは学会の講演のスライドがまるで見えない。困った問題だ。しかし時計を見ると夜の10時だ。やむを得ず清水先生に電話をかけ、応急的なメガネが売っていないか、24時間営業の薬局に連れて行ってもらった。しかし、応急的なメガネは遠視専用メガネで、遠くが見える近視用のメガネは既製品では無いようだ。しかし、無いものは仕方ないので、家内のメガネを借りることにした。なんとか、メガネが無いよりは遠くが見える。家内はコンタクトを使用しているので、昼間はメガネは要らないのだ。しかし、度数が合っていないので10分すると頭痛がしてくる。と言う訳で、メガネを付けたり外したり、大変だ!
家内に宿る小腹星人が泣いているというので、有名なタイ料理店に出かけたが、夜の12時を過ぎていたのでオーダーストップとのことで店を変えてこの店に来た。この店のあるあたりはタイ人街のようで、周囲にはタイ料理店ばかりが沢山ある。シンハービールを飲んで気を静め美味しいタイ料理を楽しんだ。家内に宿る小腹星人も泣きやんだようだ。料理は食べやすく美味しいし、現地人が作っているだけあって、味は本格的だ。また、料金も非常に安く、これだけで75ドルだった。なお、カードでの支払いは出来ないので御注意を!
















今回のロサンゼルス訪問の目的はバイオホライズンインプラントのシンポジウム出席ですが、もう一つ、友人の清水藤太先生がロサンゼルスで歯内療法専門の治療で開業しているので、彼のオフィスを表敬訪問するという任務がありました。
空港から直接彼のオフィスまで向かい医院を見学してから、一緒に食事をすることとなりました。清水先生に連れて行ってもらった店はカジュアルなイタリアンでしたが、グラスワインも手頃で美味しく、料理なかなか美味しい素敵な店でした。
しかし、この時期のロサンゼルスは雨が降らないので空気が排気ガスで曇っていて、まるで上海のようだ!

今回の旅の行き先はロサンゼルスで、LAで歯内療法専門の治療で開業している清水藤太先生に会いに行くのとバイオホライズンインプランントのシンポジウムに出席することが目的だ。
私は年に2〜3回程度学会で海外へ行くが、海外が好きかと問われると、アメリカへ行くのは苦手だ。食事が美味しくないし、なんか肌に合わない。逆に肌に合うのはバリ島で、ポルトガル、スペイン、イタリア、フランスも問題無い。分析してみると、暖かい場所が好きなようで、アメリカでもフロリダやサンディエゴは問題ないが、北に行くほど嫌いになる。ダメな都市はシアトル、ワシントン、ボストン、フィラデルフィアで、まかり間違っても、以前のようにペンシルベニア大学で講義を受けに行くことは苦手な人だ。

今回の講演では当院で行われたインプラント手術をブルーレイで録画されたライブ映像を見ながら、インプラント手術の基本を学んでいただきます。次回の講演では骨移植、サイナスリフト、 All-on-4、即時負荷のアドバンスセミナーへ繋がる一連のセミナーの第1回目という位置付けのセミナーなので、これからインプラント治療を御自身の診療に取り入れていこうと考えている先生にはうってつけのセミナーです。
