ボロボロの口腔でしたが、一回の手術で全てのインプラントを埋入しました。
右上前歯部のインプラントは隣のインプラントと近接していて、清掃が難しいので補綴には組み込みませんでした。下顎前歯部は咬耗が酷く、強いブラキシズムの存在が疑われましたので、フレーム一体化したメタルオクルーザルにしています。使用したインプラントは全てバイオホライズンズ社のテーパードインプラントです。
先に感染の強い歯牙は抜歯しておきます。
ストローマン社が買収したデンタルウイング社のソフトで製作したコンピューターガイドステントを用い無切開、剥離のフラップレス手術でインプラント埋入を行います。
この症例におけるリスクは咬合力が極端に強く、ブラキシズムやクレンチングなどの悪習癖が予想できることです。数少なく残っている歯牙は、動揺がなく、極端にすり減り、歯冠高経が短くなっています。
また、上顎歯槽骨の厚みも分厚く、インテグレーションが崩壊したり、補綴物の高頻度の破損が予想できます。それに対処する為インプラントは多めに埋入しましたが、全てのインプラントがオッセオインテグレーションを獲得し、維持できましたので、最終的には近接するインプラントの1本はインプラント周囲炎のリスクを抑える為にスリーピングとしました。これを無理やり補綴に組み込むとインプラント周囲炎という副作用のリスクがあります。
上顎396万円(税込)、下顎363万円(税込)