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All-on-4のようにフルアーチのインプラント補綴において

All-on-4のようにフルアーチのインプラント補綴においては、補綴物はセント固定では無く、スクリューリテイニングと呼ばれるネジで固定する補綴方法が一般的です。下顎をセメント固定式の補綴方法で第二大臼歯まで作るのであれば1ユニットでは無く、3ユニットに分割する必要があります。下顎は上顎とは異なり、荷重がかかると顎全体がたわみます。顎がたわんで変形するのに、たわまない補綴物がセメントで固定してあるとセメントに過度のストレスがかり、セメントの層が崩壊してしまいます。なお、上顎は過重がかかってもほとんどたわまないので構造的にはワンピースでも理論上OKですが、セメントの操作時間やセメント除去を考えると、補綴物を一気にセメント合着するには無理があります。また、臼歯部は咬合面をメタルで作れば破損の心配はほぼありませんが、前歯部では人工歯が割れたり飛んだりする可能性があるのでネジ止めなどの術者可撤式の構造にしないと補綴物を口腔外に取り外して修理をすることが出来ません。このケースは上顎大臼歯部に16mmの長いリプレイスインプラントが5本埋入してありますが、サイナスリフトはしてありません。上顎洞内に非常に強固な中隔がいくつかあったのでマテリアライズのサージガイドでコンピュータサージカルガイドを製作し、インプラントは全て中隔にピンポイントで埋入しました。

注釈)インプラントはAll-on-4による第二大臼歯まで補綴を行わない方法が一般的ですが患者さんによっては第二大臼歯部でギシギシ噛みたいという方も少なくありません。また、この患者さんは歯肉の位置が高いので人工歯肉を用いませんでした。第二大臼歯部にインプラントを埋めることができるだけの十分な骨があるのであれば、このように第二大臼歯部までインプラントを埋入するという従来からの治療法がベストだと思います。