吉岡歯科医院
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無歯顎フルアーチ即時負荷システムの講習会

ストローマンインプラントを使用した無歯顎フルアーチ即時負荷システムの講習会の宣伝です。

私は2005年のノーベルバイオケア社が企画した第一回のリスボンのパウロ・マロのAll-on-4セミナーに小宮山先生を団長にする40名程度の一段で参加しました。

どうして、このツアーに参加したかというと、骨移植で無くなった骨を再生することは不可能だと感じ始めていたからです。ブロック骨移植だろうと、腸骨海綿骨移植であろうと、術後3年経過すると、移植骨の半分は吸収してしまい、審美的な補綴は難しいと感じていたからです。

下の写真は2005年当時の私の仕事です。上顎前歯部欠損部は水平的にも垂直的にも骨が極端に少なくてインプラント埋入は不可能な状態でした。

当時の術式は全身麻酔下で腸骨から骨髄海綿骨を採取しチタンメッシュで固定し4ヶ月後にチタンメッシュを除去して、骨膜が治癒した3ヶ月後にインプラントを骨頂部の骨縁下0.5mmに埋入し半年後に二次手術を行い、テンポラリーを装着して補綴をしても後からマージンが下がらないように変化が無くなるまで経過を3年間観察してから、ようやく最終補綴物を製作しました。

腸骨移植により、当初は以前あったろう歯槽骨外形を取り戻すことが一旦は出来ましたが、テンポラリーで観察している内に骨はどんどん吸収し、補綴した時点では歯間乳頭が全く無い顔貌になってしまいました。

この症例は最初から前歯を抜歯してボーンアンカードタイプの補綴を選択するべきだったと後から思いましたが、当時は歯牙を保存し、欠損部に骨を作ってインプラントを埋入するというトップダウントリートメントの嵐が吹き荒れていた時代でした。

しかし、ボーンアンカードといっても、即時負荷ができなければ免荷期間中は可撤式の義歯を使用することになり、可撤式の義歯の使用はインプラントのインテグレーションを妨げる原因になる訳です。

そこに、当時、大学の歯周病科で非常勤講師をしていた私に「リスボンで開発されたAll-on-4が世界を動かすようになる」との話を渋谷教授から聞いていたので、ポルトガルまで行くことになった訳です。

当院ではインプラントメーカー各社のインプラントを使用してAll-on-4を行なってきました。ストローマンインプラントはボーンレベルインプラントが発売当初からAll-on-4を行なってきましたが、当初はテーパードインプラントが無かったり、高トルクでの埋入を行うとインプラントマウントがインプラントに食い込んでしまい外れなくなるなどAll-on-4には向いていないインプラントでしたが、その後、BLTが発売されSRAアバットメントが発売になり、全てのインプラントのインプラントマウントが新タイプに変更になり、長いインプラントも発売になり、現在ではAll-on-4に対して十分なソリューションが整備され、特に、直径の小さいSRAアバットメントの発売など、他のメーカーには無い様な便利で有効な製品も発売されています。世界No1シェアを誇る歴史あるインプラントメーカーのインプラントで行われるAll-on-4は従来の歴史あるテッシュレベルインプラントに変わって次世代のストローマンインプラントの姿であると期待できます。今回はストローマンインプラントでAll-on-4を行おうと考えている先生方にAll-on-4の考え方の基本を学んでいただくセミナーです。ストローマンユーザーでAll-on-4をやってみたい先生や、他メーカーからストローマンに乗り換えたい先生などは是非、御参加下さい。

今回は歴史と実績があり、多くの歯科医師が使用しているストローマンインプラントでAll-on-4行う為のAll-on-4の基本的な考え方をお話しします。