吉岡歯科医院
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無歯顎フルアーチ即時負荷システムの講習会

ストローマンインプラントを使用した無歯顎フルアーチ即時負荷システムの講習会の宣伝です。

今回のストローマン社が企画した講習会でProArchの話をするのですが、要はAll-on-4のストローマンバージョンの話なんです。つまり、無歯顎患者や歯列が崩壊した患者さんに1日で抜歯、インプラント埋入、固定式のテンポラリーの装着を行うという手法です。

All-on-4はボーンアンカードブリッジです。つまり、クロスアーチに跨るインプラントを全て固定します。このことによって、単冠によるインプラント補綴と比較して強固な補綴物を安定した状態で長期に維持することが可能です。

この患者さんは当院に来た時は10年前で、上顎は無歯顎で下顎の全ての歯牙は前医によって、全てが根管治療をしない状態で長いメタルコアが装着してある上に、歯牙を円錐形に削ったむき出し状態で、レジンで作った可撤式のパーシャルデンチャーを使用していました。

患者さんの主訴は「上の義歯が嫌なので、上だけインプラントで固定式にして欲しい」という希望でした。以前の補綴手段や単冠でのインプラント治療では、全額単位でシビアな咬合処方をしないと、結果、短期間で全体が崩壊してしまいます。

ところが、一顎をボーンアンカードでコネクトすると、対合歯が完璧な状態で無くても、それなりに長持ちするのです。従来は患者さんは「ここだけを治して欲しい」という要求に対して「正しい顎位と咬合高経を決定して、左右のバーティカルストップを確率して、アンテリアガイダンスを探して、テンポラリーで全体の安定を図ってから、全顎の補綴を行う」というのが一般的な治療の進め方でしたが、患者さんにとっては、それを最初の時点で全てを受け入れるというのは非常にハードルが高いのです。

さて、この患者さんの希望に沿って治療が可能かどうか?治療計画の立案に際してCTを撮影すると、そこには普通でない状況がありました。鼻腔が非常に横に広くて、上顎歯槽頂の下は鼻腔なので、サイナスリフトが出来ないのです。ではザイゴマインプラントなら可能か?と設計すると、今度は鼻腔内をザイゴマインプラントが通過する状態なのです。

他に、この患者さんはそもそもは下顎前突で、それも改善したいとの希望でした。結果、短いインプラントを沢山埋入することにより、上顎はAll-on-4が可能になりましたが、補綴物を見ていただくと、インプラントの埋入位置と上顎前歯の切端の位置が極端に離れているのが分かると思います。

そして、下顎のAll-on-4を行ったのは、上顎の治療開始から7年経過してからです。7年間トラブルがなかったので、患者さんはようやく下顎の治療をやる気になったということです。

当院ではインプラントメーカー各社のインプラントを使用してAll-on-4を行なってきました。ストローマンインプラントはボーンレベルインプラントが発売当初からAll-on-4を行なってきましたが、当初はテーパードインプラントが無かったり、高トルクでの埋入を行うとインプラントマウントがインプラントに食い込んでしまい外れなくなるなどAll-on-4には向いていないインプラントでしたが、その後、BLTが発売されSRAアバットメントが発売になり、全てのインプラントのインプラントマウントが新タイプに変更になり、長いインプラントも発売になり、現在ではAll-on-4に対して十分なソリューションが整備され、特に、直径の小さいSRAアバットメントの発売など、他のメーカーには無い様な便利で有効な製品も発売されています。世界No1シェアを誇る歴史あるインプラントメーカーのインプラントで行われるAll-on-4は従来の歴史あるテッシュレベルインプラントに変わって次世代のストローマンインプラントの姿であると期待できます。

今回はストローマンインプラントでAll-on-4を行おうと考えている先生方にAll-on-4の考え方の基本を学んでいただくセミナーです。ストローマンユーザーでAll-on-4をやってみたい先生や、他メーカーからストローマンに乗り換えたい先生などは是非、御参加下さい。

今回は歴史と実績があり、多くの歯科医師が使用しているストローマンインプラントでAll-on-4行う為のAll-on-4の基本的な考え方をお話しします。