シムプラントセミナー
シムプラントセミナーの宣伝です。
シムプラント活用のメリット
私の医院ではマテリアライズ社がシムプラントを買収する以前からサージケースという、現在のシムプラントの前身のソフトウエアでインプラント治療の術前診断と治療計画を行なってきました。現在では多くのインプラントシュミレーションソフトが販売されていますが、シムプラントの核心的な部分は特許によって保護されている為、現時点でもシムプラントはインプラントシュミレーションソフトのスタンダードとして世界中のインプラントロジストや大学病院などの間で共通言語として使用されています。
現在はCT を購入するとCT付属のソフトで大まかなインプラントシュミレーションが行えるようになってきていますが、All-on-4などのフルアーチに及ぶ即時負荷を行う場合は骨量だけで無く、骨内部の骨梁の状態などを的確に評価する必要が出てきます。
下の画像はシムプラントによってハンスフィールド値を色に置き換えた画像です。この画像を見ると下顎第二大臼歯部の骨内には骨は存在せず、脂肪などの軟組織で満たされていることが色で直感的に理解することが出来ます。
また、赤い部分は皮質骨が極端に硬い部分であることを表現しています。この部分はインプラントの初期固定には有効ですが、内部に血管が殆んど無いので、オッセオインテグレーションを得る為には、一度骨の表面が骨改造を起こす必要があります。つまり、埋入時には非常に硬い骨で高いISQ値を示しますが、埋入2週間後には、この部分で得られた初期固定は一気に無くなります。
このカラー表示上のグリーンの部分が骨質も血流も良好で埋入当初からオッセオインテグレーションの過程がスムーズに進むと考えられています。All-on-4では、魚群探知機のようにグリーンの部分を選んでインプラントを配置していきます。
また、最近はノーベルアクティブのように、ネジ山が薄くて長いインプラントが出てきました。骨質が悪い場合に初期固定を得る為には有効なのですが、このタイプのインプラントを極端に骨質の悪い骨に埋入すると、逆に虚弱な骨梁を全て破壊してしまうことになりかねません。また、反対に極端に硬い骨に、埋入すると埋入時にスタックしたり、埋め終わってもインプラントのネジ山の一番外側の狭い面積しか骨と接していないという状況になります。
骨は皮質骨に囲まれた内部では三次元的に異なった組織で構成されており、術前にそのことを理解していないと、的確なインプラントの選定も出来ません。同じ高層ビルを立てるのにも、地盤の質によって地下の構造設計は全く異なるのと同様です。
そんな訳で、骨内部の三次元的な状況をインプラント設計に生かすという意味で、シムプラントは非常に有効な道具であり武器となる訳です。