インプラント治療が取り外し式の入れ歯に比べて優れている点として、噛むという能力が天然の歯牙に対して遜色の無いレベルで機能回復できることにあります。これは、噛む力がインプラントを介して骨にダイレクトに伝わるという仕組みが、歯が歯根膜を介して骨に力を伝える構造に類似しているからです。
インプラントに対して取り外し式の義歯は原則的には歯槽粘膜に咬合力がかかります。粘膜は15kg程度の荷重がかかると痛くて噛めないという状態になります。ところが、ステーキを噛み切る為には60kg以上の力が必要と言われています。つまり、入れ歯ではステーキを普通に食べることは難しいです。その点、インプラントは100kg程度の力を支えることができると考えられており、咬むことについては不便を感じることはないのです。
インプラントが外し式の入れ歯に対して優れている点として挙げられることは、長期に渡って使用できるという点です。
一般的な取り外し式の入れ歯は咬合力によって顎堤に力がかかると、顎堤が吸収して顎堤の形が変化してしまいます。
すれ違い咬合の場合や対顎に孤立歯がある場合、義歯の下の顎堤は著しく吸収し、下顎管が露出する場合が存在します。結果、咀嚼が著しく困難になる場合が珍しくありません。この被害を最小限にする為には、常に義歯を作り変えて局所に咬合力が集中しないようにすることが重要です。結果、義歯は数年で作り直す必要が出てきます。