治療方針を学ぶ

インプラントを埋める為に十分な量の骨が無い場合

対処法

インプラントを埋める為に十分な量の骨が無い場合は以下の対処法があります。

  1. ❶ 骨を造る
  2. ❷ 骨がある場所にインプラントを埋め、それらのインプラントを連結して歯が無い部分に人工的に歯を造る

上顎の場合

インプラント

上顎は下顎に比べて骨質が悪いだけで無く、長いインプラントを使用できるだけの十分な骨が無い場合が多いのが実情です。特に小臼歯部、大臼歯部は根の先には副鼻腔の一つである上顎洞が存在します。

大臼歯を抜歯した後の歯槽骨頂から上顎洞底までの骨の厚みは5mm程度の場合が多いのですが、インプラントが長期に安定する為には10mm程度の長さのインプラントの使用が理想的だと言われています。その為には上顎洞内に骨補填材を用いサイナスリフトなどの方法で骨を造った後、インプラントを埋入することが一般的です。

尚、上顎前歯部の場合はインプラントを埋める長さの歯槽骨の高さを確保することが出来ても十分な幅を確保することが出来ない場合が多く、ベニヤグラフトなどの自家骨移植やGBRなどで骨を造ったり、萎縮した骨の代わりに結合組織移植を行い、歯肉に厚みを持たせて外観の確保を行います。

下顎の場合

インプラント

下顎の場合第二大臼歯より後ろには下顎管という下歯槽神経と下歯槽動静脈が入った管が骨の中を通っています。

インプラント手術時に下顎管を損傷すると、異常出血が起こったり、口角から下口唇にかけて知覚麻痺が長期に続く場合があります。下唇や口角から下の皮膚を指先で触っても感覚が無い状態になってしまうのです。この事故を避ける為に、インプラントの埋入位置は下顎管から3mm離した場所に安全域を設定して手術を行うことが重要です。

顎管から3mm離した場所に安全域を設定しても、それを口腔内で正確に手術に反映させる必要があります。治療計画を現実的な手術に反映させる為には、CT撮影によって得られたデータをインプラントシュミレーションソフトで治療計画を立て、その手術内容を反映したコンピュータサージカルガイドを用いて手術をすることが重要です。

インプラントシュミレーションソフトで下顎管に対して3mmの安全域を確保できない場合は、

  1. 骨移植GBRによって骨量を増やす処置を行う
  2. ❷下顎管が存在しない前歯部にインプラントを複数埋入して、カンチレバーと呼ばれる延長した補綴物によって後方部に人工の歯を造る。
  3. ❸耐久性に問題があるが、極端に短いインプラントを用いる。