吉岡歯科医院
治療方針を学ぶ

審美性観点からのインプラント治療

インプラントの審美性は?

インプラントは機能的な点からは取り外し式の義歯より快適ですが、審美性、つまり見た目の点からは一般的には総義歯より劣ります。これは歯牙が無くなると歯牙を支えていた歯槽骨が無くなり、元々歯牙あった場所にインプラントを埋入することが出来ないからです。

結果、無くなった前歯をインプラント治療で回復すると、出来た歯は、本来の歯より歯の長さは長くなり、歯と歯の間の歯間乳頭と呼ばれる部分の歯肉が少なく無くなるのが一般的なのです。

若い人の笑顔の条件

インプラント

若い人の口腔を見てみると、歯と歯が接触している隣接面の接触点部分まで、ピンク色の歯肉が空間を満たしています。この部分の歯肉を歯間乳頭と読んでいます。若い人の笑顔の特徴は、笑った時に歯と歯の間にピンクの尖った歯肉が覗くことです。この長く伸びた尖った歯間乳頭歯肉が若い人の特徴です。

この位置は、歯冠(歯で口腔内に見えている部分)の長さの半分以上を占めています。

老人の笑顔の特徴

インプラント

一方、老人の口腔内では、歯と歯の間の尖った歯間乳頭は退縮して無くなってしまい、歯茎と歯の境目は横に直線的になります。歯周病が進行した場合は、歯と歯の間の以前は歯間乳頭歯肉があった部分は空隙となり口腔内が隙間を通して暗く見えます。歯間乳頭歯肉が無くなった場所は黒い三角に見えるので、ブラックトライアングルと呼ばれています。

歯と歯の間の黒く見える空隙部分を補綴的に被せ物で歯を大きくして空隙を埋めてしまうと、歯間乳頭歯肉が存在しない、四角い形の歯の馬のような不自然な口元になってしまいます。

不自然な口元を解決するには

インプラント

この問題を解決する為には、無くなってしまった歯茎を骨移植、GBR、結合組織移植で回復することを行いますが限界があります。欠損が1歯分のスペースの場合は欠損の両隣の歯の歯根膜の存在によって欠損部との間の歯間乳頭を完全な状態に表現できる場合がありますが、欠損歯が連続した複数歯になると、残念ながら、かなり妥協的な結果にならざるを得ません。

そこで、前歯部において、連続した欠損がある場合や、多くの歯牙が長期保存することが難しいと考えられる場合、既に歯間乳頭部歯肉を喪失している場合は、抜歯し人工的な歯肉によって、歯間乳頭を表現したAll-on-4などの治療法を用います。

Point
連続した歯牙欠損に対してインプラントと人工歯肉を使用すれば、人工歯を配置する位置は骨や既存の歯牙の位置に左右されることなく、顔貌に対して最善の場所に歯牙と歯肉を配置することが出来ますので、顔貌と調和した綺麗な口元を得ることが出来ます。